5月のGW明けに相方と2人で箱根に行ってきました。普段は立ち入ることのできない大涌谷自然研究路の見学をしてきたレポートです。
大涌谷自然研究路「引率入場」の予約と立ち入り禁止エリアの現状
現在、大涌谷の自然研究路は火山ガスの影響により、個人で自由に立ち入ることは一律禁止となっています。中に入る方法は、1日4回実施されている「引率入場(事前予約制)」に参加することだけです。実際に5月のGW明け平日に参加した際に感じた注意点をまとめました。
- 👟 研究路は整備されていますが階段の上り下りがあり、スニーカーなどの歩きやすい靴がおすすめです。サンダルやヒールは入場を断られる可能性があります。
- 😷 噴煙地のため、場所によっては火山ガスの匂いがかなり強いです。匂いに敏感な方でなくても、マスクを1枚持参しておくと安心です。
- ⚠️ 【周辺の渋滞リスク】 大涌谷周辺は一本道のため非常に渋滞が発生しやすく特に土日祝や観光シーズンは1時間以上の大渋滞になることもあります。実際に私達がお昼前に大涌谷から帰る時に渋滞が発生しており、「引率入場を予約している人は間に合うのだろうか」と思いました。開始30分前の受付に遅れないよう、余裕を持って現地に向かうことを強くおすすめします。
- 🏥 未就学児のほか、喘息(ぜんそく)・呼吸器疾患・心臓疾患等をお持ちの方は、安全上の理由から入場できません。申込時に同意・確認があります。
【概要表】大涌谷引率入場の予約方法・料金・実施時間まとめ
| 詳細内容 | |
| イベント名 | 大涌谷自然研究路 引率入場 |
| 散策ルート | 大涌谷園地から1周 約700m(所要時間:約40分) |
| 実施時間 |
1日4回開催(毎日) ① 10:00~ / ② 11:30~ / ③ 13:00~ / ④ 14:30~ ※気象条件や火山の状態により中止になる場合があります。 |
| 定員 | 各回 30名 まで |
| 参加方法 |
ウェブサイトからの事前予約が必要 ※空きがあれば当日申込みも可 |
| 当日の受付場所 |
大涌谷インフォメーションセンター (大涌谷くろたまご館1階、ロープウェイ駅側「大涌谷ジオミュージアム」入口) |
| 集合時間 | 各開始時間の 20分前まで に受付へ |
| 安全対策協力金 | 一人 800円 |
| 決済方法 |
キャッシュレス決済のみ(現金不可) ※クレジットカード、交通系電子マネーなどが利用可能 |
| 引率ルール |
・受付後にヘルメットを装着します。 ・誘導員(監視員)2名の指示に従い、団体行動となります。 ※監視員は観光ガイドではなく、安全確保のための人員です。 |
※大涌谷引率入場のオンライン予約はこちら

富士箱根伊豆国立公園・大涌谷の歴史と現状
大涌谷は約3,000年前、箱根火山の噴火活動によって形成された噴気地帯です。標高約1,000mの現地では今なお火山活動が続いており、あちこちからダイナミックに噴煙が上がる様子を間近で見られる、箱根を代表する観光地となっています。関東にお住まいの方なら、一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。神奈川県民にとって箱根は日帰りで行ける観光スポットの定番、私自身もこれまでに何度も足を運んでいますが、2015年からは火山活動の影響で噴気地帯の立ち入りが完全に禁止されていました。それが安全対策を徹底したうえで、2022年から「引率入場」という形で一般の立ち入りが再開されたのです。今回はこの貴重なエリアに実際に潜入してきました。
【体験レポ】ヘルメット着用で立入禁止エリアへ!当日の流れとシェルター見学
事前予約が必要とのことですが、締切時間前までに空きがあれば当日参加も可能のようでした。

まずインフォメーションセンターで受付と支払いを済ませます。

開始時間の10分前にヘルメットが配られます。参加人数は定員の30人はいたと思います。

引率の方は参加者の先頭と最後尾に1人ずつ。通常立入禁止地帯にシェルターが7ヶ所あり、そこをお話を伺いながらぐるっと巡るコースです。最初に注意事項を説明され、ある程度団体で移動します。はじめ「引率は監視員で観光ガイドではない」と記載があったので各々自由に見学するのかと思っていましたが、実際はシェルターの役割や備蓄品の説明など、とても丁寧な解説をしてくださいました。海外からのお客様も多かったので、日本語の説明の後に英語でも同じ内容のお話をしていました。

7つあるシェルターは、どの位置からでもすぐに避難できるよう自然研究路沿いに一定間隔で配置されていて、2号と4号には屋上があり、展望台として富士山や周囲の山々を眺められるようになっています。


シェルターは2014年の御嶽山の噴火も教訓になり設置されたというお話で、厚さ約25cmのコンクリートで出来ていて、最大30㎝の噴石の飛来に耐えられる造りとなっています。2014年9月27日11時52分、長野と岐阜の県境にある御嶽山が噴火し、山頂付近にいた多くの登山者の方々がお亡くなりになるなど、戦後最悪の火山災害となりました。私も当時信じられない気持ちでニュースを見たのを覚えています。元々シェルターのなかった大涌谷の観光客の安全のために、突発的な噴火があった場合に噴石から身を守るシェルターの建設や自然研究路の整備を整えたうえでの立ち入り再開となったのでした。
内部のヘルメットやガスマスク、濡れタオルなどが入っている倉庫の中も見せてくれました。
立ち枯れた木々と強烈な硫黄の匂いで火山活動の威力を実感
周辺の木は立ち枯れていて根が張られていないため、地盤が緩くあちこちで土砂崩れが起きたあとが見られました。先日の三原山に引続き、植物が育つ事のできない火山地帯の環境の厳しさを実感しました。


4号シェルターの付近は一番火山ガスが濃い地帯。

確かにかなり硫黄の匂いが強く、あまり匂いに敏感でない私でも、長くいると気分が悪くなりそうでした。引率の方からも気分が優れなかったら場所から離れるよう注意喚起がありました。

ただ、立入りが制限される前は、この辺りも自由に散策できた記憶があります。

今もここで箱根名物の温泉卵「くろたまご」が作られていて、専用のロープウェイで下の売店まで下ろしています。

実際に参加して感じた、大涌谷自然研究路の魅力
コース内には、自分のいる位置からどこのシェルターが一番近いか分かりやすい標識が。



監視員の方は、移動途中など、疑問があれば質問にも答えていただけました。意外とこの「引率入場」のことをご存じない方も多いのではなかと思います。せっかく大涌谷に行くのであれば、観光客の安全も守りつつ、大涌谷の活火山としての活動の様子をより深く知ることができる貴重な体験をぜひおすすめします!
【おまけ】箱根のお土産と父の思い出
余談ですが、大涌谷のお土産屋さんで寄木細工のコーナーがあり、5年前に亡くなった父が、私が小学生の時に会社の旅行で箱根に行き、寄木細工の小物入れをお土産に買ってきてくれたのを思い出しました。からくり箱とも言われて、一見開けられないように見えるのですが、一定のパーツをスライドさせて開けていく仕掛け箱です。小学生になかなか渋いものを買ってきてくれたんだな~と、不器用だった父を思い出しました。
箱根寄木細工 秘密箱(10回仕掛け)